マーガレット畑の猫----
 
/セリーヌ・シュルレ


 1969年パリ郊外の街、セーヌ・エ・マルヌ県のシャミニーに生まれる。父が庭師だったことから、いつも自宅の庭には美しい色とりどりの花々や植木の緑が溢れ、その庭で時間を過ごすことが大好きだったシュルレは、その環境から多くのインスピレーションを受けた。
小学校に入った頃からの作品は注目され、絵画コンクールで度々入賞するようになる。
独学で描いていた水彩画は15歳のころから油絵に変わり、初めての個展を自らの通う高校の図書館で開催する。18歳でプロを目指したシュルレは、故郷を離れ南仏プロヴァンス地方に移住する。そこで彼女が見た景色は、燦々と降り注ぐ陽光を浴びた美しい色彩。ゴッホをはじめ、数々の画家達を魅了したその風景に、シュルレもまた魅了された。この地で、現在まで彼女の芸術性に影響を与え続けている、素晴らしい色彩感覚を体得し、その感動を次々と作品に描いていった。
その後、大西洋沿いのブルターニュ地方に生活の場を変えた彼女は、その地で後に夫となる画商のジャン・フランソワ・デュコスと運命的な出会いを果たす。


同じアートの世界に身をおく二人は意気投合し、シュルレはその後次々に個展を開催し、その度好評を博し、作品制作が追いつかないほどの成功をおさめる。 そして、1991年、ブルターニュ地方のポンタヴェンに彼女の作品のみを扱う最初のギャラリーをオープンし、1994年には、ついにパリのヴォージュ広場に二つのギャラリーを構えるまでに至った。ヴォージュ広場は画家なら誰もが憧れる場所であり、彼女の人気の高さが伺える。 ゴッホのようにエネルギッシュでマティスのような鮮やかな色彩をもつ彼女の作品は、純粋に高い芸術性を求めて描き続けた結果であり、
強い“繊細さ”と高尚な“素朴さ”からも見てとれるように、陰鬱さや暗さとは全くかけ離れた、不思議なほど活き活きとし、それでいて穏やかで優しい世界に満ち溢れている。


 シュルレの描くキャンバスには、子供の頃のあの平穏でゆったりとした時間を私たちに思い起こさせ、『永遠の夏』を感じさせて止まないのである。

花と光にあふれたテーブルや室内空間を自在に表現するその作風は、その色彩の豊かさにもかかわらず、不思議な落ち着きと幸福感をかもしだしている。自宅やアトリエは、その作品そのままに、彼女の育てた花やペイントした家具に囲まれ、平和で美しい生活が営まれているのだ。 今後日本という新たな地において、更なる活躍に多くの注目が集まる。